インプラントと従来の治療法との比較・知っておきたいこと
最終更新日 2024年11月9日 by alaala
「インプラントってどんな治療?」
「歯が抜けたのでインプラントを考えている」
「インプラント治療の費用相場について知りたい」
インプラントというと歯の治療をイメージしますが、そもそも医療器材を体内に埋込むことの総称です。
例えば心臓にペースマーカーを埋込む、人工関節を入れることも該当するので、歯の場合は歯科インプラントというのが正しいです。
ですが現在ではインプラントといえば歯の治療を想像するくらいに一般化しており、欠損歯を補う治療として普及しつつあります。
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Contents
歯科インプラントの歴史
現在の治療法は1950年代に海外でチタンと骨が拒絶反応を起こさず結合することが発見されたことから始まります。
構造は大きく3つからなり、失った歯のあごの骨に埋込む人工歯根、その上に取付ける土台、そして歯の部分にあたる人工歯です。
人工歯根と土台に用いられるのは先ほど説明したように人体と融合しやすいチタンかチタン合金です。
実際にはチタンもしくはチタン合金の表面に特殊な処理を施した物を用い、表面の細かな穴に骨が入り込んで人体と結合します。
世界中で多くの商品が発売されており、国内でも販売を認可されたメーカーは複数ありますが、治療を受けるときは品質が安定しており信頼できるメーカーの物を選びます。
ブリッジと入れ歯の違いと特徴
歯を失った場合の治療方法に従来からあるブリッジと入れ歯がありますが、それぞれ特徴があります。
ブリッジ
まずブリッジは失った歯を支える土台として両側の歯を使用します。
健康な両側の歯を大きく削り、2本の歯で3本の歯を支える形となります。
接着剤を用いて支えとなる歯に固定するため入れ歯のようにぐらつくこともなく安定して物を噛むことができます。
ただし支えとなる歯に荷重がかかるため割れたり被せ物が壊れたりすることがあります。
こうなってしまうとブリッジが使えなくなるので、再度作成するか別の治療法を考える必要が出てきます。
入れ歯
入れ歯は多くの歯を失ってしまった場合の総入れ歯と、部分入れ歯があります。
総入れ歯はほとんど歯がない、根だけが残っている状態でおこなう治療法で、歯茎にぴったりと合う被せ物を作ります。
ぴったり合えば安定していますが合わないと、外れやすい、痛みが出る、上手く物が噛めないといった問題が生じます。
部分入れ歯は残っている歯に金具を引っ掛けて安定させます。
ただしこちらもブリッジと同じように引っ掛ける歯の負担になる、金具の部分が虫歯になりやすいので早く駄目になる可能性があります。
インプラントはこれらの治療法と比較すると健康な歯を削る必要がなく、金具を引っ掛ける必要もないため周囲への負担が少ないことがあります。
顎の骨に支えを埋込むことで独立した歯として使用できるので違和感もほとんどなく、天然の歯と同じ噛み心地で食事をすることができます。
見た目も天然の歯と同じなので人の目を気にすることなく会話をできます。
インプラント治療のリスク
このように説明すると理想的な治療方法のように感じますが、どんな治療にもいえることですがリスクがあることを知っておくことが大切です。
基本的には保険が利用できない
まず基本的には保険が利用できないので他の治療と比較して費用がかかります。
治療本数など条件にもよりますが、1本あたり50万円前後が相場だとされています。
次は手術をおこなう治療だということです。
麻酔をして外科手術をするので痛みはないですが、手術中に血管や神経を傷つけるといったリスクが全くないわけではないですし、術後のある程度の痛みも覚悟する必要があります。
糖尿病や高血圧など全身疾患がある場合も注意
糖尿病や高血圧など全身疾患がある場合も注意が必要です。
手術をするため全身に負担がかかることから治療を断られることもあります。
治療期間が長い
一般的な歯科治療と比較すると治療期間が長いことも知っておきます。
しっかりした土台を作るには人工歯根が骨と結合するのを待つ必要があります。
この期間が大体3か月から6か月程で、骨密度が低い場合は骨を増やす手術も必要なため更に日数がかかり、最終段階である人工歯を被せるまで1年近くかかることもあります。
歯科医師による定期的なメンテナンスが必要
また治療が済んだからといってそれで終わりではないです。
人工歯なので虫歯になることはありませんが、歯周病のリスクは残ります。
せっかく治療をしたのに歯周病でだめにならないためにも日常的な家庭での手入れは当然ですが、それ以外に歯科医師による定期的なメンテナンスをおこなう必要があります。
面倒だなと感じるかもしれませんが、天然の歯でも予防が必要なようにインプラントもきちんとした手入れをすることでリスクを減らすことができます。
まとめ
インプラントの手術法には大きく2タイプあります。
1回法と2回法で、1回法は1回の手術で埋込みから土台の取付けまでおこないます。
そして骨と結合するのを待って人工の歯を被せます。
特徴は土台が露出したままだということです。
2回法は人工歯根を埋込んだ後、一旦歯茎を縫合し骨と結合するのを待ち、結合を確認できたら歯茎を再度切開して土台を装着、傷口が治るのを待って人工の歯を被せます。
1回法のメリットは体への負担が少ないこと、治療期間が短いことなどで、2回法は再手術をするので体への負担は大きいですが、一旦歯茎を縫合するので感染症の心配が少ないです。