動物病院で治療を行った重度の椎間板ヘルニアの外科治療について
最終更新日 2024年12月25日 by alaala
愛犬が突然キャンと鳴いて脚などに強い痛みを訴えて歩行が困難になる、このようなときに動物病院が近くにあると安心に繋がります。
その痛みの部位には首や背中、腰など様々なものがあるようで体に触れるだけでも痛みを感じるため、鳴き声を上げる動物も少なくありません。
急性で重度のときには下半身にマヒが生じているケースもあるなど、注意が欠かせません。
これは椎間板ヘルニアと呼ばれる病気で、一般的に人間に起きる疾患のイメージを持つ人も多いようですが動物にも起きるものであり早期段階での診断および治療が必須といわれています。
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重度の椎間板ヘルニアの症状
動画サイトのYouTubeには、動物病院で行われた重度の椎間板ヘルニアの外科治療例を見ることができるコンテンツも用意されていますが、手術を受ける前の様子や術後1か月や2か月経過した段階で愛犬ともいえるミニチュアダックスフンドがどのような状態になっているのかわかります。
術前の状態は、後ろ肢はまったく動かない状態ではあるけれども痛みそのものを感じていない状況です。
歩く様子を見ていると、引きずるように前脚を使いながら行っている様子です。
動物病院で外科治療を行い1か月が経過すると、体のふらつきはあるけれども術前とは異なり歩けるようになるなど一安心です。
ただ、外科治療を受けているわけですからリハビリは続けなればならない、そして術後2か月が経過すると右側の後ろ肢は滑りやすい状態ではあるけれども1か月前には難しかった走れるようになるなど、回復の兆しが見えて来ます。
そもそも椎間板ヘルニアとは
そもそも椎間板ヘルニアとはどのような疾患になるのか、病名は耳にしたことがあるけれどもその症状や原因がどこにあるのかわからない人は多いといえましょう。
背骨を構成する骨の間でクッションの役割を持つ椎間板、この部位内部には線維輪と呼ぶ組織があります。
線維輪が破綻してしまうと、椎間板の中心にある柔らかい組織でもある髄核を伴い線維輪が突出するようになり、これにより神経に触れて痛みを感じてしまうもしくは炎症が起きるなどの特徴があります。
そのため、この疾患は背骨を構成している椎間板が突出して起きるものだといいます。
ただ、首から腰までの間でどのような部位でも起きる可能性があるのも特徴で、人間の場合などでは発生する部位で頚椎や腰椎、胸椎などの名称で分類が行われます。
重度の症状では四肢は完全にマヒ状態になるケースが多い
動物の場合も背中や首の痛み、四肢を引きずるなどの症状が起きるケースが多くありヘルニアが発生する部位で症状が変わるため人間のヘルニアと同じように名称が変わって来るようです。
軽度の症状では首や腰などに触れると痛がることが多い、家の中を歩いているときなどは足を引きずっていることで何かおかしいと感じて動物病院に連れて行く人が多いわけです。
重度の症状では四肢は完全にマヒ状態になるケースが多く、歩行ができないだけでなく横になったまま立ち上がることができないケース、自力でおしっこができなくなることもあります。
犬種により急速に進行してしまうケースも・・・
椎体および椎体との間に存在する椎間板はクッションの役割を持つもので、これが脊髄に飛び出して痛みや炎症が生じる病気ですが、加齢に伴い病勢そのものが進行してしまうため早期診療および治療が大切であることがわかるのではないでしょうか。
特に、犬種により急速に進行してしまうケースがあり、ダックスフンドやシーズ、ペキニーズやビークルなどの犬種の場合は若齢時から急速に進行することもありますので、普段とは違った歩き方をしているときなど要注意です。
軽度や重度などの重症度は、椎間板が突出した位置および脊髄への圧迫の程度で変わるといわれておりいずれも痛みがある疾患ですから早めの動物病院での診察が欠かせません。
動物は、しゃべることができないわけですから普段とは違った様子のときなどすぐに病院に行くことができる状態にしておくと安心です。
椎間板ヘルニアの診断について
椎間板ヘルニアの診断は、神経の中でどのような部位で障害が起きているのかを大まかに調べ、脊髄の疾患だけなく脳疾患への疑いを持ち神経学的な検査を実施するといいます。
神経学的検査は、治療後にどのくらい改善しているのかを評価するときにも利用する重要な検査です。
神経学的検査の後はレントゲンを利用して椎体および椎体との間隔の広さを調べ、椎体の間隔が狭くなっていたり脊椎炎症や腫瘍、他の関節疾患および骨折などにも疑いを広げ調べておきます。
なお、神経学的検査とレントゲン検査で椎間板ヘルニアの可能性が高いなどの診察が行われた際には、MRI検査を行い疾患の特定やヘルニア部の位置、方向などの特定や他の脊髄疾患との関連性などにも視野を広げながら入念な検査と治療方針を定めるようです。
まとめ
他にも血液や尿などの検査を行う病院が多いようですが、これは他の病気との鑑別を行うために実施されるもので他の病気も隠れていることが分かったときには椎間板ヘルニアの治療だけでなく、対象となる病気の治療を並行して行います。